中井淳史 教授
一面に広がる田園、そのむこうに点在する民家、そして上空を舞うコウノトリ―私たちの校舎の窓からみえる風景です。生命力あふれる濃い緑に彩られたその風景は、秋になれば徐々に枯葉色に覆われ、冬には時に白一色に塗りつぶされます。そしてヤマザクラの開花を合図にふたたび緑へと、四季折々の顔をみせてくれます。
但馬固有の地形地質が育んだ生態系や自然環境のなかで、コウノトリは生息してきました。人間との関わりのなかで時に絶滅の危機に瀕しつつも、現在は人間の手によってふたたび野生への復帰がはかられています。大地?自然?人間は正負さまざまな関係を取り結びながら、現在に至るまで持続してきました。校舎からみえる風景とはまさにその縮図なのです。
私たちの研究科は、大地?自然?人間のつながりを地域(フィールド)から学び、地域の大事な資源として未来へ受け継ぐ手立てを考えることを目的としています。校舎も規模も小さいですが、地球科学から生態学、人文社会科学に至るまで幅広い分野の教員が集い、社会人も含めた幅広い世代の学生がともに学んでいます。
人間がつくったさまざまな垣根や境界を気にかけることもなく、自由に悠然と大空を舞うコウノトリのように、私たちも学問や世代、立場の垣根を飛び越えて自由な知の世界を但馬に築いていきたいと考えています。自然豊かなキャンパスで、私たちと一緒に地域資源を学んでみませんか?